円谷プロを代表して提起した著作権侵害訴訟にて、一審・二審共に勝利を収め、円谷プロのウルトラマンキャラクター著作権を再度確認

2017年、円谷プロは中国市場で「鋼鉄飛龍之再見奥特曼」というアニメ映画を発見した。この映画は藍弧動画と楽視影業が共同で出資・製作し、2017年10月1日に全国で上映されたものである。ウルトラマンはこの映画のメインキャラクターの一つであり、当該映画のアピールポイントでもあり、この点について、藍弧動画は、所謂「1976年契約」に基づいてウルトラマンキャラクターのライセンスを受けたと主張した。

しかし、円谷プロはこれまで、当該映画について、ライセンスはおろか、投資、製作のいかなる過程にも関与していない。所謂「1976年契約」は、ほんの一部のウルトラマン映像作品に関するライセンス契約であって、ソンポテというタイ人が1976年に円谷プロと英語で締結したと自称しているものである。所謂「1976年契約」には、契約の形式、内容、ソンポテの権利行使期間、権利行使方法等の面で、多くの疑問点があり、円谷プロは「1976年契約」が偽造されたものであると固く信じている。所謂「1976年契約」の真偽に関しては、中国を含む多くの国で一連の紛争が発生している。そのうち、タイ及びアメリカの裁判所は所謂「1976年契約」が偽造であると認定したが、中国において、所謂「1976年契約」が偽造であるという円谷プロの主張は、過去の別件訴訟で中国の裁判所の支持を得られなかった。

上記映画の権利侵害行為に対し、円谷プロの適法な権利を守り、長年円谷プロを悩ませてきたウルトラマンシリーズ作品の著作権問題を清算すべく、弊所は関連事実を詳細に把握し、法律関係を十分に整理したうえで、円谷プロを代表し、広州藍弧動画伝媒有限公司、広州藍弧文化伝播有限公司、広州藍奇文化伝播有限公司(三社を併せて「藍弧側」という)、楽視影業(北京)有限公司等を被告とし、著作権侵害訴訟を提起した。5年にわたる長い訴訟を経て、最終的に本件一審((2018)滬0115民初14920号)、二審((2020)滬73民終544号)はいずれも円谷プロが勝訴し、ウルトラマンキャラクターについて円谷プロが有する著作権を改めて確認し、円谷プロの適法な権利を守った。

方達チームでは、日本業務パートナー弁護士の孫海萍、知財業務パートナー弁護士の佘軼峰邵燁が主たる責任者として、カウンセル弁護士の金暁特、アソシエイト弁護士の秦葉舟、朱安迪等とともに、本件を取り扱った。